きゆづきさとこ『棺担ぎのクロ。』

棺担ぎのクロ。~懐中旅話~ (1) (まんがタイムKRコミックス)

棺担ぎのクロ。~懐中旅話~ (1) (まんがタイムKRコミックス)

【評価】★★★★☆(4/5)

まんがタイムきららを購読していた頃好きだった作品。古本で単行本を入手したので読み返しました。中世ヨーロッパに似た世界観での旅話で中心人物は棺担ぎの旅人「クロ」とコウモリの「セン」、子供(?)の「ニジュク」と「サンジュ」(4〜5歳ぐらい?)。雑誌掲載の他の作品に比べてギャグの率が低く、ある意味異質だったように記憶しています。


まとめて読み直すと、改めてこれはおもしろいと思いました。
メインとなるテーマはクロとセンの過去と旅の理由、それからニジュクとサンジュの心の成長です。話も毎回着々と進み4コマ漫画でありがちなマンネリないし停滞を感じさせません。

クロは寡黙で達観的かと思いきや思わぬ所で感情的で逆に人間味を感じられて良いです。センはムードメーカーで常識人。ニジュクとサンジュは可愛くて微笑ましくて溜まりません。⊂⌒~⊃。Д。)⊃

演出面でおもしろい点があって本作品では雑誌掲載時から枠外がクロでべた塗りされています*1。時折挿入される絵本の様な挿絵と相俟っておとぎ話のような雰囲気が演出されています。また雑誌掲載時に頻回にあったカラーページが再現されている点もポイント高いです。


そろそろ2巻が出る頃だと思います。雑誌の購読はもうやめたのでそれ以後の未読の話が今から楽しみです。

*1:各話最後の頁は白のままですがこれが演出によるものかどうかは不明。